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特許って何?

更新日:2023年7月31日

この話の登場人物


   T弁護士


     商子(しょうこ)さん

製造会社に新入社員として入社し、知的財産部に配属された。

大学時代にともにバンドを組んでいたT弁護士の後輩。





T先輩、ちょっと相談いいですか?








誰かと思えば、大学の後輩のしょうこさん。法律相談なら30分あたり・・。






無料ですよね。







・・・も、もちろんです。で、相談とは?









新しく配属された知財部の業務で、特許出願のプロジェクトに参加することになったんです。でも、そもそも出願とか登録ってどうするのか分からないし、先行技術や他の会社の特許を調べる、って言われても何が何だか。









特許は、登録が必要な権利ってことは知ってますよね。じゃあ、どこに登録するかは知ってますか?









それくらい聞いたことありますよ。たしか・・・、とうきょうとっきょきょきゃ・・、とうきょうとっきょきょきゃきょっ・・・。







ちゃんと言ってください。








とうきょうとっきょきょかきょく!!言えた!!







違います。







違うんかい!!









実は、とうきょうとっきょきょきゃ・・きょく、などという役所は実在しないんです。特許庁というところに登録することになります。








・・・今ごまかしましたね。それはともかく、発明が特許になるってことは分かりますけど、そもそも「発明」って何ですか?









はい。「発明」は、特許法第2条第1項で定められており、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」をいいます。








ちょっと、いきなり条文を読み上げられても分かりませんよ!







うう・・。







T先輩、そういうところですよ。まず何ですって?自然法則?








発明の定義を4つに分けますね。①自然法則を利用していること、②技術的思想であること、③創作であること、④高度なものであること、の4つになります。







そんな感じで、まず1つ目からお願いします。









まず、①自然法則を利用しているとは、エネルギー保存の法則や万有引力の法則といった自然法則を利用して、発明の課題を解決していることをいいます。







なんとなく分かりますけど、世の中のものは何でも自然法則を利用しているんじゃないですか? 逆に自然法則を利用していないものって何ですか?







例えば、自然法則ではない経済学の法則や、人が決めたルール、たとえばトランプのルールを利用したものは、特許の対象とされる発明ではありません。自然法則それ自体も、みんなで共有すべきものなので、特許の対象とされる発明にはあたらないんです。







私が考えた「あっちむいてホイ!」の必勝法は「発明」じゃないってことか。







次に、②技術的思想とは、課題を解決するための技術的な手段をいいます。ですので、絵画や彫刻といった美的創作物は含まれません。また、客観的に伝達できるものである必要があり、個人の技能や技量によるものは含まれません。そのため、どんなにすごい変化球の投げ方でも、特許として登録することはできません。元ヤクルトの伊藤智仁投手のスライダーでもダメです。






私、ライオンズファンなので、西武の選手でお願いします。








西武・・・?ええと、そうですね。あっ、潮崎投手のシンカーも登録できません。







全体的に古いな!でも今の例えで良く分かりました。伝説の「魔球シンカー」でも発明にはならないのですね。他の人は投げられないから。







続いて、③創作物である必要があるため、天然物の単なる発見では足りません。④高度なものかどうかについては、実用新案と区別するための基準です。「高度」ではないという理由で「発明」に該当しないとされることはありませんが、特許登録の実体的要件として進歩性が問題となります。







ううっ、「実用新案」とか「進歩性」とか、また新しい言葉が出てきた・・・。








今後、徐々に説明していきますね。









説明してもらった「発明」に該当すれば、特許として登録してもらえるのですか?









いいえ。発明に該当するからといって、何でも特許登録が認められるわけではありません。特許庁では、特許登録にあたっての審査を行っており、登録のための実体的要件があるんです。







登録までにまだ覚えないといけないことがあるのか。先が長いですね。登録のための実体的要件については、次回に教えてくださいね。




(2022年10月24日公開)


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